アセトアルデヒドの性状
アセトアルデヒドは、アルデヒド基(−CHO)をもつ有機化合物で、第4類の特殊引火物に該当します。沸点が常温に近く、引火点が非常に低いうえ燃焼範囲が広いため、第4類の中でも特に危険性の高い物質です。
性状
アセトアルデヒドの化学反応 酸化酸素と反応 酢酸になる分解熱・光 メタンと一酸化炭素になる| 品名 | 特殊引火物(水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 50 L |
| 化学式 | CH₃CHO(アルデヒド基 −CHO をもつ) |
| 外観 | 無色の液体で、刺激臭がある |
| 引火点 | −38 ℃ |
| 発火点 | 約175 ℃ |
| 沸点 | 約21 ℃(常温で気化しやすい) |
| 液比重 | 0.78(水より軽い) |
| 蒸気比重 | 約1.5(空気より重い) |
| 燃焼範囲 | 約4〜60 vol%(非常に広い) |
| 溶解性 | 水・エタノール・ジエチルエーテルに任意の割合で溶ける |
| 化学的性質 | 還元性が強い。酸化されると酢酸になる。熱や光で分解してメタンと一酸化炭素を生じる |
燃焼範囲
特殊引火物はいずれも燃焼範囲が広く、なかでもアセトアルデヒドは約4〜60 vol%と非常に広く、わずかな漏れでも爆発性の混合気をつくりやすい物質です。参考としてガソリンも並べています。
ジエチルエーテル 1.9〜36
二硫化炭素 1.3〜50
アセトアルデヒド 4.0〜60
酸化プロピレン 2.3〜36
ガソリン 1.4〜7.6
特殊引火物の比較
特殊引火物は、1気圧において発火点が100 ℃以下のもの、または引火点が−20 ℃以下で沸点が40 ℃以下のものです。指定数量はいずれも50 Lです。
表は横にスクロールして確認できます。
| 物質 | 水への溶解 | 引火点 | 沸点 | 発火点 | 燃焼範囲(vol%) | 液比重 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル | わずかに溶ける | −45 ℃ | 約35 ℃ | 約160 ℃ | 1.9〜36 | 0.71 |
| 二硫化炭素 | 溶けない | −30 ℃以下 | 約46 ℃ | 約90 ℃ | 1.3〜50 | 1.26 |
| アセトアルデヒド | 溶ける | −38 ℃ | 約21 ℃ | 約175 ℃ | 4.0〜60 | 0.78 |
| 酸化プロピレン | 溶ける | −37 ℃ | 約35 ℃ | 約449 ℃ | 2.3〜36 | 0.83 |
- 沸点が最も低いのはアセトアルデヒド(約21 ℃)です。
- 燃焼範囲が最も広いのはアセトアルデヒド、発火点が最も低いのは二硫化炭素(約90 ℃)です。
- 二硫化炭素だけは水より重く、水に溶けないため、水を張って貯蔵します。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではアセトアルデヒドに特有の危険性をまとめています。
- 沸点が約21 ℃と低く常温で激しく気化し、引火点も−38 ℃と非常に低い。
- 空気中で酸化されやすく、加圧下では爆発性の過酸化物を生じるおそれがある。
- 銅・銀・水銀・マグネシウムやこれらの合金と反応して、爆発性の化合物をつくるおそれがある。
- 蒸気を吸い込むと有害で、目や粘膜を刺激する。
火災予防
第4類に共通する火災予防は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではアセトアルデヒドに特有の注意点をまとめています。
- 冷所に貯蔵し、温度の上昇を避ける。
- 貯蔵タンクや容器には、窒素などの不活性ガスを封入して空気との接触を防ぐ。
- 銅・銀・水銀・マグネシウムやこれらの合金を、容器や設備に使わない。
消火方法
アセトアルデヒドは水に溶ける液体です。消火方法は、第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶ける液体」に当たります。