エチルアルコールの性状
エチルアルコール(エタノール)は、ヒドロキシ基(−OH)をもつ有機化合物で、第4類のアルコール類に該当します。引火点が常温(20 ℃)より低く、常温でも点火源があれば引火します。水によく溶ける水溶性の液体です。
性状
エチルアルコールの構造 C₂H₅エチル基 OHヒドロキシ基 化学式 C₂H₅OH。ヒドロキシ基(−OH)をもつため、水によく溶けます。| 品名 | アルコール類(水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 400 L |
| 化学式 | C₂H₅OH(ヒドロキシ基 −OH をもつ) |
| 外観 | 無色透明の液体で、特有の芳香がある |
| 引火点 | 約12 ℃(常温より低い) |
| 発火点 | 約363 ℃ |
| 沸点 | 約78 ℃ |
| 液比重 | 0.79(水より軽い) |
| 蒸気比重 | 約1.6(空気より重い) |
| 燃焼範囲 | 約3.3〜19 vol% |
| 溶解性 | 水と任意の割合で混ざる。多くの有機溶剤にもよく溶ける |
| その他 | 淡い青色の炎で燃え、明るい場所では炎が見えにくい。酒類の主成分で、消毒用アルコールにも使われる |
燃焼範囲
エチルアルコールの燃焼範囲は約3.3〜19 vol%で、ガソリンより上限値が高く、範囲が広くなっています。参考としてメチルアルコールとガソリンも並べています。
メチルアルコール 6.0〜36.5
エチルアルコール 3.3〜19
ガソリン 1.4〜7.6
主なアルコール類の比較
消防法のアルコール類は、1分子を構成する炭素原子の数が1〜3個の飽和1価アルコールです。指定数量はいずれも400 Lです。
表は横にスクロールして確認できます。
| 物質 | 化学式 | 引火点 | 沸点 | 液比重 | 蒸気比重 |
|---|---|---|---|---|---|
| メチルアルコール | CH₃OH | 約9 ℃ | 約65 ℃ | 0.79 | 約1.1 |
| エチルアルコール | C₂H₅OH | 約12 ℃ | 約78 ℃ | 0.79 | 約1.6 |
| n-プロピルアルコール | C₃H₇OH | 約15 ℃ | 約97 ℃ | 0.80 | 約2.1 |
| イソプロピルアルコール | C₃H₇OH | 約12 ℃ | 約83 ℃ | 0.79 | 約2.1 |
- いずれも引火点が常温(20 ℃)より低く、常温で引火する危険があります。
- 炭素の数が増えて分子量が大きくなるほど、蒸気比重も大きくなります。
- メチルアルコールは毒性が強く、飲んだり蒸気を吸い込んだりすると、失明や死亡のおそれがあります。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではエチルアルコールに特有の危険性をまとめています。
- 引火点が約12 ℃と常温より低く、常温でも点火源があれば引火する。
- 淡い青色の炎で燃え、すすをほとんど出さないため、明るい場所では燃えていることに気づきにくい。
火災予防
第4類に共通する火災予防は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではエチルアルコールに特有の注意点をまとめています。
- 炎が見えにくいので、火気の周辺では燃えていないか十分に確認する。
- 消毒用など身近な用途でも、火気の近くで使用・保管しない。
消火方法
エチルアルコールは水に溶ける液体です。一般の泡はアルコールに溶けて消えてしまうため、泡消火剤を使う場合は水溶性液体用の泡消火剤を使います。消火方法は、第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶ける液体」に当たります。
数値は、厚生労働省「職場のあんぜんサイト」のモデルSDS(エタノール・メタノール)およびICSCによる。引火点は第4類危険物一覧と同じ資料の値。資料・測定方法により差があるため概数で表示。