ガソリンの性状・種類
ガソリンは第4類の第1石油類に該当する代表的な危険物です。用途によって自動車ガソリン、工業ガソリン、航空ガソリンがあり、いずれも引火点が非常に低く、常温で可燃性蒸気を発生します。
ガソリンの種類
自動車ガソリン
- 主な用途
- 自動車・二輪車などの燃料
- 色
- オレンジ系に着色
灯油・軽油との誤用防止のため着色。オクタン価によりレギュラーとハイオクがある
工業ガソリン
- 主な用途
- 塗料・ゴム・油脂などの溶剤、洗浄用
- 色
- 無色
ベンジン、ゴム揮発油、大豆揮発油などがある
航空ガソリン
- 主な用途
- ピストンエンジンの航空機の燃料
- 色
- 等級により着色(緑色・青色など)
自動車ガソリンより、オクタン価などの品質基準が厳しい
性状
| 品名 | 第1石油類(非水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 200 L |
| 主成分 | 炭素数4〜10程度の炭化水素の混合物 |
| 引火点 | −40 ℃以下 |
| 発火点 | 約300 ℃ |
| 沸点 | 40〜220 ℃(混合物のため幅がある) |
| 液比重 | 0.65〜0.75(水より軽い) |
| 蒸気比重 | 3〜4(空気より重い) |
| 燃焼範囲 | おおむね1〜8 vol%(約1.4〜7.6 vol%) |
| 水への溶解 | 溶けない |
| 電気 | 電気の不良導体で、静電気がたまりやすい |
燃焼範囲
ガソリンの燃焼範囲はおおむね1〜8 vol%で、灯油・軽油と同程度です。下限値が約1 vol%と低いため、わずかな蒸気でも燃焼範囲に入ります。
ガソリン 1.4〜7.6
灯油 1.1〜6.0
軽油 1.0〜6.0
灯油・軽油・重油との比較
表は横にスクロールして確認できます。
| 物質 | 品名 | 引火点 | 発火点 | 液比重 | 色 |
|---|---|---|---|---|---|
| ガソリン | 第1石油類 | −40 ℃以下 | 約300 ℃ | 0.65〜0.75 | オレンジ系(自動車用) |
| 灯油 | 第2石油類 | 40 ℃以上 | 約220 ℃ | 約0.8 | 無色〜淡黄色 |
| 軽油 | 第2石油類 | 45 ℃以上 | 約220 ℃ | 約0.85 | 淡黄色〜淡褐色 |
| 重油 | 第3石油類 | 60〜150 ℃ | 250〜380 ℃ | 0.9〜1.0 | 褐色〜暗褐色 |
ガソリンは引火点が最も低い一方、発火点は灯油や軽油より高くなっています。引火点と発火点の高い・低いは一致しません。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではガソリンに特有の危険性をまとめています。
- 揮発しやすく、引火点が−40 ℃以下と低いため、冬の屋外のような低い温度でも可燃性蒸気が発生し、引火する。
- 第4類の中でも特に静電気がたまりやすく、給油や注入の際の放電火花で引火することがある。
- 灯油や軽油にガソリンが混ざると引火点が下がり、常温でも引火しやすくなる。
火災予防
第4類に共通する火災予防は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではガソリンに特有の注意点をまとめています。
- 灯油や軽油の容器に入れたり、灯油・軽油と混ぜたりしない。
- 給油や容器への注入では流速を遅くし、容器や設備を接地する。
- 容器は確実に密栓し、液体の膨張に備えて空間を残す。
消火方法
ガソリンは水に溶けない液体で、消火方法は第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶けない液体」に当たります。ガソリンに水をかけると、水より軽いため水面に浮いて燃え広がり、突沸で燃えているガソリンが飛び散るおそれがあるため、注水は不適当です。
ガソリン火災(油火災)と消火剤 使える 泡液面を覆って空気を遮断する(窒息)二酸化炭素周囲の酸素濃度を下げる(窒息)ハロゲン化物燃焼の連鎖反応を抑える(抑制)粉末燃焼の連鎖反応を抑え、炎を覆う(抑制・窒息)強化液(霧状)燃焼の連鎖反応を抑える(抑制) 使えない 水(棒状・霧状)水より軽いガソリンが水面に浮いて広がる。突沸で燃えているガソリンが飛び散る強化液(棒状)勢いよく当たって液面をかき乱し、炎が広がる