グリセリンの性状
グリセリンは、ヒドロキシ基を3つもつ3価のアルコールで、第4類の第3石油類(水溶性液体)に該当します。引火点が高く常温では引火しにくい一方、加熱されると燃焼します。
性状
グリセリンの構造 ヒドロキシ基が3つの3価のアルコール(C₃H₅(OH)₃)| 品名 | 第3石油類(水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 4,000 L |
| 化学式 | C₃H₅(OH)₃(ヒドロキシ基を3つもつ3価のアルコール) |
| 外観 | 無色・無臭の粘稠な液体で、甘味がある |
| 引火点 | 約176 ℃ |
| 発火点 | 約370 ℃ |
| 沸点 | 約290 ℃ |
| 融点 | 約18 ℃ |
| 液比重 | 1.26(水より重い) |
| 燃焼範囲 | 約2.6〜11.3 vol%(資料により異なる) |
| 溶解性 | 水・エタノールに溶ける。ガソリン・軽油・ベンゼンには溶けない |
| その他 | 吸湿性がある |
| 用途 | 化粧品・医薬品の保湿剤、食品添加物、ニトログリセリンの原料 |
燃焼範囲
グリセリンの燃焼範囲は約2.6〜11.3 vol%で、同じ水溶性の第3石油類であるエチレングリコールと同程度です。
グリセリン 2.6〜11.3
エチレングリコール 3.2〜15.3
エチレングリコールとの比較
エチレングリコール(C₂H₄(OH)₂)は、ヒドロキシ基を2つもつ2価のアルコールです。グリセリンと同じく第3石油類の水溶性液体で、無色で粘り気と甘味があり、水より重い点が共通しています。自動車の不凍液に使われます。
主な第3石油類との比較
表は横にスクロールして確認できます。
| 物質 | 水溶性 | 引火点 | 液比重 |
|---|---|---|---|
| 重油 | 非水溶性 | 60〜150 ℃ | 0.9〜1.0 |
| クレオソート油 | 非水溶性 | 66 ℃以上 | 1.07〜1.08(水より重い) |
| アニリン | 非水溶性 | 76 ℃ | 1.02(水より重い) |
| ニトロベンゼン | 非水溶性 | 88 ℃ | 1.20(水より重い) |
| エチレングリコール | 水溶性 | 111 ℃ | 1.10(水より重い) |
| グリセリン | 水溶性 | 176 ℃ | 1.26(水より重い) |
第3石油類は、引火点が70 ℃以上200 ℃未満の液体です。水溶性のものは指定数量が4,000 L、非水溶性のものは2,000 Lです。重油は一般に水より軽く(比重0.9〜1.0)、それ以外の多くは水より重い点も押さえておきます。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではグリセリンに特有の危険性をまとめています。
- 引火点が約176 ℃と高く常温では引火しにくいが、加熱されて引火点以上になると燃焼する。
- 霧状になると、引火点より低い温度でも着火しやすくなる。
- 吸湿性があり、空気中の水分を吸収する。
火災予防
第4類に共通する火災予防は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではグリセリンに特有の注意点をまとめています。
- 加熱を避け、高温体を近づけない。
- 噴出や飛散によって霧状にならないよう注意する。
- 容器は密栓して貯蔵する。
消火方法
グリセリンは水に溶ける液体です。消火方法は、第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶ける液体」に当たります。