キシレンの性状
キシレンは、ベンゼン環に2つのメチル基(−CH₃)が結合した芳香族炭化水素で、第4類の第2石油類に該当します。塗料などの溶剤として広く使われ、常温に近い温度で引火する危険があります。
性状
| 品名 | 第2石油類(非水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 1,000 L |
| 化学式 | C₆H₄(CH₃)₂(芳香族炭化水素) |
| 外観 | 無色の液体で、特有の臭気がある |
| 引火点 | 約27〜32 ℃(異性体により異なる) |
| 発火点 | 約460〜530 ℃ |
| 沸点 | 約140 ℃(水より高い) |
| 液比重 | 0.86〜0.88(水より軽い) |
| 蒸気比重 | 約3.7(空気より重い) |
| 燃焼範囲 | 約1〜7 vol% |
| 溶解性 | 水に溶けない。アルコール・ジエチルエーテルなどの有機溶剤に溶ける |
| 用途 | 塗料・接着剤・インクなどの溶剤、合成樹脂の原料 |
燃焼範囲
ベンゼン・トルエン・キシレンの燃焼範囲はいずれもおおむね1〜8 vol%で、下限値が約1 vol%と低い点が共通しています。
ベンゼン 1.2〜7.8
トルエン 1.1〜7.1
キシレン 1.0〜7.0
3種類の異性体
キシレンには、メチル基の位置が異なるオルト・メタ・パラの3種類の異性体があります。分子式は同じですが、引火点や融点などが少しずつ異なります。
オルトキシレン
メタキシレン
パラキシレン
表は横にスクロールして確認できます。
| 異性体 | メチル基の位置 | 引火点 | 沸点 | 融点 |
|---|---|---|---|---|
| オルトキシレン(o-キシレン) | 隣り合う位置 | 約32 ℃ | 約144 ℃ | 約−25 ℃ |
| メタキシレン(m-キシレン) | 1つ置いた位置 | 約27 ℃ | 約139 ℃ | 約−48 ℃ |
| パラキシレン(p-キシレン) | 向かい合う位置 | 約27 ℃ | 約138 ℃ | 約13 ℃ |
パラキシレンは融点が約13 ℃と高く、寒い時期には固まることがあります。
ベンゼン・トルエンとの比較
ベンゼン、トルエン、キシレンは、いずれもベンゼン環をもつ芳香族炭化水素で、メチル基の数が0・1・2と増えます。メチル基が増えるほど、沸点と引火点が高くなります。
ベンゼン C₆H₆
トルエン C₆H₅CH₃
キシレン C₆H₄(CH₃)₂
表は横にスクロールして確認できます。
| 物質 | 品名 | 引火点 | 沸点 | 蒸気比重 | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| ベンゼン | 第1石油類 | 約−11 ℃ | 約80 ℃ | 約2.8 | 毒性が強い |
| トルエン | 第1石油類 | 約4 ℃ | 約111 ℃ | 約3.1 | ベンゼンより毒性は弱い |
| キシレン | 第2石油類 | 約27〜32 ℃ | 約140 ℃ | 約3.7 | 3種類の異性体がある |
いずれも水に溶けず、水より軽く、蒸気は空気より重いという共通点があります。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではキシレンに特有の危険性をまとめています。
- 引火点が約27〜32 ℃と常温に近く、夏場や暖房の効いた室内では引火する危険がある。
- 蒸気を吸い込むと、頭痛やめまいなどの中毒症状を起こすことがある。
火災予防
第4類に共通する火災予防は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではキシレンに特有の注意点をまとめています。
- 夏場や暖房の効いた室内では、特に火気に注意する。
- 換気をよくし、蒸気を吸い込まないようにする。
消火方法
キシレンは水に溶けない液体です。消火方法は、第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶けない液体」に当たります。