動植物油類の性状と自然発火
動植物油類は、動物や植物から得られる油で、第4類の危険物のうち引火点が250 ℃未満のものです。引火点が高く常温では引火しにくい一方、布などにしみ込んだ状態で放置すると、酸化熱が蓄積して自然発火することがあります。
性状
| 品名 | 動植物油類(非水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 10,000 L |
| 定義 | 動物の脂肉等または植物の種子・果肉から抽出したもので、1気圧において引火点が250 ℃未満のもの |
| 引火点 | 一般に200 ℃以上で、常温では引火しにくい |
| 液比重 | 0.9程度(水より軽い) |
| 水への溶解 | 溶けない |
| 主な例 | アマニ油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、ツバキ油 |
ヨウ素価と乾性油・半乾性油・不乾性油
ヨウ素価と自然発火 ヨウ素価 小 酸化されやすく、自然発火しやすい 大 不乾性油 ヨウ素価 100以下 オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油半乾性油 ヨウ素価 100〜130 ナタネ油、ゴマ油、大豆油乾性油 ヨウ素価 130以上 アマニ油、キリ油、エゴマ油 ヨウ素価は、油脂100 gに付加するヨウ素のグラム数です。ヨウ素価が大きいほど分子内の二重結合が多く、空気中の酸素と反応しやすくなります。乾性油は、空気中で酸化されて固まりやすい油で、塗料や印刷インキに使われます。ヨウ素価が大きい油ほど酸化されやすいため、乾性油は不乾性油より自然発火の危険性が高くなります。
自然発火が起こるしくみ
- 布や紙にしみ込んだ油が薄く広がり、空気と接する面積が大きくなる
- 油が空気中の酸素と反応し、酸化熱が発生する
- 布が積み重なっていると熱が逃げにくく、熱が蓄積する
- 温度が発火点に達し、点火源がなくても燃え出す(自然発火)
火災予防
第4類に共通する火災予防は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここでは動植物油類に特有の注意点をまとめています。
- 油がしみ込んだ布や紙を、積み重ねたり放置したりしない。
- 換気のよい場所で保管し、熱がこもらないようにする。
- 加熱して使うときは、液温が引火点以上にならないよう注意する。
消火方法
動植物油類は水に溶けず水より軽いため、注水すると燃焼面が広がります。高温の油に水が入ると、水が急に沸騰して油が飛び散るおそれもあります。泡・粉末・二酸化炭素など、窒息効果や抑制効果のある消火剤を使います。
消防法別表第一備考、危険物の規制に関する政令別表第三。ヨウ素価の区分と油の例は一般的な分類による。