クレオソート油の性状
クレオソート油は、コールタールを蒸留して得られる油で、第4類の第3石油類(非水溶性)に該当します。消防法別表第一の備考で、重油とともに第3石油類の例として名前が挙げられています。第4類の多くの物質と違い、水より重い液体です。
性状
| 品名 | 第3石油類(非水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 2,000 L |
| 主な成分 | コールタールを蒸留して得られる、多くの種類の芳香族炭化水素の混合物 |
| 主な用途 | 木材の防腐剤など |
| 外観 | 油状の液体。色は黄色〜黒色で、製品によって異なる |
| におい | 特異臭(タールのような臭気)がある |
| 引火点 | 66 ℃以上(資料値) |
| 発火点 | 約335 ℃ |
| 沸点 | 約194〜400 ℃(混合物のため幅がある) |
| 液比重 | 約1.07〜1.08(水より重い) |
| 溶解性 | 水に溶けない。アルコール・エーテルなどには溶ける |
| 毒性 | 皮膚や眼を刺激する。発がん性のおそれがある |
主な第3石油類の比重
第4類の危険物には水より軽いものが多いですが、第3石油類には、クレオソート油のように水より重いものが多くあります。重油は水より軽い液体です。
| 物質 | 水への溶解 | 液比重 |
|---|---|---|
| 重油 | 非水溶性 | 約0.82〜0.90(A重油の例) |
| クレオソート油 | 非水溶性 | 1.07〜1.08 |
| アニリン | 非水溶性 | 1.02 |
| ニトロベンゼン | 非水溶性 | 1.20 |
| エチレングリコール | 水溶性 | 1.10 |
| グリセリン | 水溶性 | 1.26 |
太字は、比重が1より大きく水より重いものです。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここではクレオソート油に特有の危険性をまとめています。
- 引火点が常温より高く、常温では引火しにくいが、加熱されて液温が引火点以上になると引火する。
- いったん燃え出すと液温が高くなり、消火が難しくなる。
- 蒸気を吸い込んだり皮膚に触れたりすると、健康を害するおそれがある。
火災予防
- 加熱するときは、液温が引火点以上にならないよう注意する。
- 換気をよくし、取り扱うときは保護手袋などを使って皮膚に触れないようにする。
消火方法
水に溶けない液体なので、泡・二酸化炭素・粉末などで燃焼面を覆う窒息消火を行います。棒状の注水は、燃えている油を飛び散らせるおそれがあるため使いません。消火方法は、第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶けない液体」に当たります。
外観・におい・引火点・発火点・沸点・液比重・溶解性・毒性は、厚生労働省のモデルSDS(クレオソート油)とILO・WHO 国際化学物質安全性カード(ICSC 0572)による。引火点・液比重は第4類危険物一覧と同じ資料の値。組成によって性状が異なるため概数で表示。