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化学変化には、熱の出入りが伴います。化学変化に伴って出入りする熱量を反応熱といい、熱を発生する反応を発熱反応、熱を吸収する反応を吸熱反応といいます。燃焼は、熱と光の発生を伴う発熱反応です。

反応熱の種類

反応熱は、ふつう物質1 mol(中和熱は生じる水1 mol)あたりの熱量で表します。

反応熱基準熱の出入り例
燃焼熱物質1 molが完全燃焼する発熱水素の燃焼熱:約286 kJ/mol(生じた水が液体の場合)
生成熱化合物1 molが成分元素の単体から生成する発熱または吸熱水(液体)の生成熱:約286 kJ/mol(発熱)
中和熱酸と塩基の中和で水1 molが生じる発熱塩酸と水酸化ナトリウム水溶液:約56 kJ/mol
溶解熱物質1 molを多量の溶媒に溶かす発熱または吸熱水酸化ナトリウム:発熱、硝酸アンモニウム:吸熱

燃焼と中和は、いつも発熱反応です。生成熱と溶解熱は、物質によって発熱にも吸熱にもなります。

熱化学方程式の読み方

化学反応式の右辺に反応熱を書き加え、矢印の代わりに「=」で結んだ式を熱化学方程式といいます。発熱は「+」、吸熱は「−」で表し、物質の状態(気体・液体・固体)も書き添えます。

2H2(気体)+O2(気体)=2H2O(気体)+486 kJ2\mathrm{H_2}\text{(気体)}+\mathrm{O_2}\text{(気体)}=2\mathrm{H_2O}\text{(気体)}+486\ \mathrm{kJ}

化学式の前の係数は、反応する物質の物質量(mol)の比を表します。この式は、「水素2 molと酸素1 molが反応して水蒸気2 molができるとき、486 kJの熱が発生する」という意味です。

量水素(H₂)酸素(O₂)水蒸気(H₂O)
物質量2 mol1 mol2 mol
質量4 g32 g36 g
気体の体積(0 ℃・1気圧)44.8 L22.4 L44.8 L
  • 質量は、物質量に分子量をかけて求めます(H₂の分子量は2、O₂は32、H₂Oは18)。反応の前後で、質量の合計は変わりません。
  • 0 ℃・1気圧では、気体1 molの体積は種類にかかわらず22.4 Lです。そのため、気体の体積の比は係数の比と同じになります。体積の合計は、反応の前後で変わることがあります。
  • 発生する熱量は、反応する物質量に比例します。この式では、水素1 molあたり486 ÷ 2 = 243 kJです。

物質の状態と反応熱

同じ反応でも、できる物質の状態によって反応熱は変わります。水蒸気が凝縮して液体の水になるときは、さらに熱(凝縮熱)を放出するため、液体の水ができる場合の反応熱は、水蒸気ができる場合より大きくなります。

反応熱の値は、高等学校化学の教科書などで用いられる概数。高等学校の新しい教科書では、反応熱をエンタルピー変化(ΔH)で表す書き方が使われていますが、危険物取扱者試験では熱化学方程式の形で出題されることが多いため、ここでは熱化学方程式で表しています。