酢酸の性状
酢酸は、カルボキシ基(−COOH)をもつカルボン酸で、第4類の第2石油類(水溶性)に該当します。融点が約17 ℃と常温に近く、寒い時期には凝固します。純度の高い酢酸は、凍ると氷のように見えることから氷酢酸と呼ばれます。
性状
酢酸の構造 カルボキシ基(−COOH)をもつカルボン酸(CH₃COOH)。水によく溶け、水溶液は弱い酸性を示す| 品名 | 第2石油類(水溶性) |
|---|---|
| 指定数量 | 2,000 L |
| 化学式 | CH₃COOH(カルボキシ基 −COOH をもつ) |
| 外観 | 無色透明の液体で、刺激臭がある |
| 引火点 | 約39 ℃ |
| 発火点 | 約485 ℃ |
| 融点 | 約17 ℃(これより低い温度で凝固する) |
| 沸点 | 約118 ℃ |
| 液比重 | 1.05(水より重い) |
| 蒸気比重 | 約2.1(空気より重い) |
| 燃焼範囲 | 約6.0〜17 vol% |
| 溶解性 | 水・アルコール・ジエチルエーテルによく溶ける |
| その他 | 水溶液は弱い酸性を示す。腐食性があり、皮膚に触れると薬傷を起こす。食酢は3〜5%程度の水溶液 |
燃焼範囲
酢酸の燃焼範囲は約6.0〜17 vol%で、ガソリンより下限値が高くなっています。参考としてエチルアルコールとガソリンも並べています。
酢酸 6.0〜17
エチルアルコール 3.3〜19
ガソリン 1.4〜7.6
主な第2石油類(水溶性)の比較
表は横にスクロールして確認できます。
| 物質 | 化学式 | 引火点 | 融点 | 液比重 |
|---|---|---|---|---|
| 酢酸 | CH₃COOH | 約39 ℃ | 約17 ℃ | 1.05 |
| プロピオン酸 | C₂H₅COOH | 約54 ℃ | 約−21 ℃ | 0.99 |
| アクリル酸 | CH₂=CHCOOH | 48〜55 ℃ | 約14 ℃ | 1.05 |
いずれもカルボキシ基をもつカルボン酸で、水によく溶け、指定数量は2,000 Lです。
危険性
第4類に共通する危険性は、第4類に共通する火災予防・消火方法で確認できます。ここでは酢酸に特有の危険性をまとめています。
- 引火点が約39 ℃で、加熱されて液温が上がると引火する。
- 腐食性があり、多くの金属やコンクリートを腐食させる。
- 皮膚に触れると薬傷を起こし、蒸気は目や呼吸器を刺激する。
火災予防
- 腐食しにくい材質の容器に入れ、密栓して貯蔵する。
- 凝固して容器が破損しないよう、低温になる場所での貯蔵に注意する。
消火方法
酢酸は水に溶ける液体です。一般の泡は溶けて消えてしまうため、泡消火剤を使う場合は水溶性液体用の泡消火剤を使います。消火方法は、第4類に共通する火災予防・消火方法の「水に溶ける液体」に当たります。
数値はILO・WHO 国際化学物質安全性カード(ICSC)による。引火点・液比重は第4類危険物一覧と同じ資料の値。資料・測定方法により差があるため概数で表示。