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二硫化炭素は、第4類の特殊引火物に該当する液体です。発火点が約90 ℃と100 ℃に満たないことから、特殊引火物に分類されます。水より重く水に溶けないため、水を張った容器や水槽に入れて貯蔵します。

性状

二硫化炭素の構造と貯蔵 SCS CS₂:硫黄を含むため、燃えると二酸化硫黄を生じる 水二硫化炭素 水より重く水に溶けないため、水を張って蒸気の発生を防ぐ
品名特殊引火物
指定数量50 L
化学式CS₂
外観純品は無色透明の液体。市販品は黄色を帯び、不快な臭いがある
引火点−30 ℃以下
発火点約90 ℃
沸点約46 ℃
液比重1.26(水より重い)
蒸気比重約2.6(空気より重い)
燃焼範囲約1.3〜50 vol%
溶解性水にほとんど溶けない。アルコール・ジエチルエーテルに溶ける
毒性蒸気は有毒。燃焼すると有毒な二酸化硫黄を生じる

燃焼範囲

二硫化炭素の燃焼範囲は約1.3〜50 vol%で、下限値はガソリンとほぼ同じですが、上限値が高く、範囲が広くなっています。

燃焼範囲の比較(空気中の蒸気の濃度・vol%)
二硫化炭素 1.3〜50
ジエチルエーテル 1.9〜36
ガソリン 1.4〜7.6
帯の左端が燃焼下限値、右端が燃焼上限値です。下限値が低いほどわずかな蒸気で燃焼範囲に入り、範囲が広いほど燃焼・爆発の危険が大きくなります。

ジエチルエーテル・アセトアルデヒド・酸化プロピレンを含む特殊引火物4物質の比較は、ジエチルエーテルの性状で確認できます。

燃焼の化学反応

二硫化炭素は硫黄を含むため、燃焼すると二酸化炭素とともに、有毒な二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を生じます。

CS₂ + 3O₂ → CO₂ + 2SO₂

危険性

  • 発火点が約90 ℃で、高温の蒸気配管や電球などに触れただけでも発火するおそれがある。
  • 引火点が−30 ℃以下で、低温でも引火する。
  • 燃焼範囲が広く、空気と混ざると広い濃度で燃焼・爆発する。
  • 蒸気は有毒で、吸い込むと中毒を起こすおそれがある。

火災予防

  • 容器や水槽に水を張って貯蔵し、可燃性蒸気の発生を抑える。
  • 高温の物体や蒸気配管の近くに置かない。
  • 容器は密栓し、通風のよい冷暗所で取り扱う。

消火方法

二硫化炭素は水より重く水に溶けないため、水を静かに注いで液面を覆い、空気を遮断して消火することができます。泡・二酸化炭素・粉末などの消火剤も使えます。

燃焼範囲以外の数値はILO・WHO 国際化学物質安全性カード(ICSC)による。燃焼範囲は、ジエチルエーテルの性状の資料と同じく乙4の学習で一般に用いられる値(ICSCでは約1〜50 vol%)。資料・測定方法により差があるため概数で表示。