比熱・熱量と熱の移動
物体の温度を変えるのに必要な熱の量は、物質の種類(比熱)と質量によって決まります。熱は、高温の物体から低温の物体へ、伝導・対流・放射の3つの仕方で移動します。
比熱と熱容量
| 量 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| 比熱 | 物質1 gの温度を1 ℃上げるのに必要な熱量 | J/(g・℃) |
| 熱容量 | 物体全体の温度を1 ℃上げるのに必要な熱量(比熱×質量) | J/℃ |
比熱が大きい物質は、温まりにくく冷めにくい性質があります。温度を上げるにも下げるにも、多くの熱の出入りが必要だからです。
| 物質 | 比熱(J/(g・℃)) |
|---|---|
| 水 | 約4.19 |
| アルミニウム | 約0.90 |
| 鉄 | 約0.45 |
| 銅 | 約0.39 |
水1 gを1気圧で14.5 ℃から15.5 ℃まで1 ℃上げるのに必要な熱量を1カロリー(cal)といい、1 cal=約4.186 Jです。水は比熱が大きいため、消火の冷却に使われます。
熱量の求め方
熱量(J)=比熱(J/(g・℃))×質量(g)×温度変化(℃)
例えば、水100 gを20 ℃から50 ℃まで温めるのに必要な熱量は、4.19×100×30=12,570 Jです。
途中で融解や気化などの状態変化があるときは、温度変化に使う熱量に、融解熱や気化熱などの潜熱を加えます。例えば、0 ℃の氷10 gを50 ℃の水にするには、融解熱(332 J/g)の332×10=3,320 Jと、水を温める4.19×10×50=2,095 Jの合計5,415 Jが必要です。
状態変化と潜熱は、物質の状態変化と熱で確認できます。
熱の移動
| 移動の仕方 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 伝導 | 物質の中を、高温の部分から低温の部分へ熱が順に伝わる | 鉄の棒の一端を熱すると、反対側も熱くなる |
| 対流 | 温められた液体や気体が移動して、熱が運ばれる | ストーブで温められた空気が上昇し、部屋全体が暖まる |
| 放射(ふく射) | 高温の物体から出る熱線(赤外線など)が、間の空間を通って直接ほかの物体に熱を与える | たき火に当たると、離れていても顔が熱くなる |
熱伝導率
熱伝導率は、熱の伝わりやすさを表す値です。一般に、固体(特に金属)が大きく、液体、気体の順に小さくなります。
| 状態 | 熱伝導率 | 例 |
|---|---|---|
| 固体(金属) | 大きい | 銀・銅・アルミニウム・鉄 |
| 液体 | 中程度 | 水 |
| 気体 | 小さい | 空気 |
可燃物は、熱伝導率が小さいほど熱が逃げにくく、温度が上がりやすいので燃えやすくなります。
熱膨張
物体は、温度が上がると膨張します。長さが伸びることを線膨張、体積が増えることを体膨張といい、体膨張率は一般に、気体が最も大きく、液体、固体の順に小さくなります。
気体は、圧力が一定のとき、温度が1 ℃上がるごとに0 ℃のときの体積の273分の1ずつ膨張します(シャルルの法則)。液体の危険物を容器に入れるときに空間を残すのは、温度が上がったときの体膨張で容器が破損するのを防ぐためです。
比熱は、常温付近での代表的な値。