物質の状態変化と熱
物質は、温度や圧力によって固体・液体・気体の3つの状態をとります。状態が変わることを状態変化といい、物質そのものは変わらないので物理変化に当たります。状態変化には、熱の吸収または放出が伴います。
状態変化の名称と熱の出入り
| 変化 | 名称 | 熱 | 例 |
|---|---|---|---|
| 固体→液体 | 融解 | 吸収 | 氷がとけて水になる |
| 液体→固体 | 凝固 | 放出 | 水が凍って氷になる |
| 液体→気体 | 気化(蒸発) | 吸収 | ガソリンが蒸発して蒸気になる |
| 気体→液体 | 凝縮(液化) | 放出 | 水蒸気が冷えて水滴になる |
| 固体→気体 | 昇華 | 吸収 | ドライアイスが二酸化炭素の気体になる |
| 気体→固体 | 昇華(凝華) | 放出 | 空気中の水蒸気が霜になる |
状態変化と熱の出入り 熱を吸収する変化 熱を放出する変化 固体と気体の間の変化は、どちらの向きも昇華といいます。
固体→液体→気体の向きは、分子どうしの結びつきを弱める変化なので、熱を吸収します。逆向きの変化では、熱を放出します。
融点・沸点と物質の状態
1気圧のもとでは、融点より低い温度では固体、融点と沸点の間では液体、沸点より高い温度では気体になります。
| 物質 | 融点 | 沸点 |
|---|---|---|
| 水 | 0 ℃ | 100 ℃ |
| エチルアルコール | 約−114 ℃ | 約78 ℃ |
例えば、エチルアルコールは20 ℃では液体、90 ℃では気体です。沸点は、外圧が高くなると高くなり、外圧が低くなると低くなります。
状態変化と温度(潜熱)
状態変化をしている間は、加えた熱(または奪われた熱)が状態を変えるために使われるので、温度は変わりません。この熱を潜熱といい、融解に使われる熱を融解熱、気化に使われる熱を気化熱(蒸発熱)といいます。
例えば、氷を加熱すると、0 ℃で融解が始まり、氷がすべて水になるまで0 ℃のままです。水の気化熱は約2,257 J/g(100 ℃)と大きく、水が蒸発するときに周囲から多くの熱を奪うため、消火の冷却効果に利用されます。
風解と潮解
空気中の水分と物質の関係で起こる現象です。水分の出入りの向きが逆になります。
| 現象 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 風解 | 結晶水を含む物質が、空気中で結晶水を失って粉末状になる | 結晶炭酸ナトリウム(炭酸ナトリウム十水和物) |
| 潮解 | 固体が空気中の水分を吸収して、その水に溶ける | 水酸化ナトリウム、塩素酸ナトリウム |
融点・沸点・気化熱は、1気圧での代表的な値。