静電気の発生と防止
静電気は、物体にたまって流れない電気です。電気を通しにくい物体が他の物体と摩擦などで接触・分離すると、一方から他方へ電子が移動し、電子を失った物体は正に、電子を得た物体は負に帯電します。
静電気が発生するしくみ
移動前:どちらも中性 物体A 物体B AからBへ電子が1個移動 移動後:電子の数が変わる 物体A 電子が1個減る正に帯電 物体B 電子が1個増える負に帯電 電荷の数は説明用の模式図です。+の数は変わらず、−(電子)だけが移動します。
帯電した物体どうしには、同じ種類の電荷なら反発する力が、異なる種類の電荷なら引き合う力が働きます。電荷のやりとりがあっても、電気量の総和は変わりません。
発生・蓄積しやすい条件
| 条件 | 理由・例 |
|---|---|
| 電気を通しにくい(不良導体) | 発生した電気が逃げにくく、たまりやすい。ガソリン・灯油などの第4類の多くや、合成繊維・合成樹脂が該当する |
| 流速が大きい | 配管やホースの中を流れる液体は、速く流れるほど静電気が発生しやすい |
| 湿度が低い(乾燥している) | 物体の表面の水分が少なく、電気が空気中や周囲に逃げにくい |
| 摩擦・かくはん・噴出・ろ過 | 物体どうしの接触と分離が激しいほど、電子の移動が多くなる |
静電気の危険性
たまった静電気が一気に放電すると火花が出ます。この火花が点火源となり、ガソリンなどの可燃性蒸気に引火するおそれがあります。静電気がたまっても物体が発熱するわけではなく、自然発火の原因にはなりません。
ガソリンを入れていたタンクに灯油を入れるときは、タンク内のガソリンの蒸気が灯油に吸収されて燃焼範囲の濃度に薄まり、灯油の流入で発生した静電気の火花で引火することがあります。
静電気による災害の防止
| 対策 | 効果 |
|---|---|
| 接地(アース)する | たまった電気を大地に逃がす。移動タンク貯蔵所の接地導線もこの目的 |
| 流速を制限する | 配管で送油するときや給油するときの静電気の発生を抑える |
| 湿度を高くする | 表面の水分を通して電気を逃がしやすくする |
| 帯電防止服・帯電防止靴を着用する | 作業者の体に静電気がたまるのを防ぐ |
| 空気をイオン化する(除電器) | 帯電した物体の電気を中和する |
| 導電性の材料を使う | 容器やホースに電気を通しやすい材料を使い、電気を逃がす |
乾燥させたり、絶縁性の高い靴や衣服を着用したりすると、静電気はかえってたまりやすくなります。