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使用停止命令の事由かどうかと、罰則があるかどうかは別です。行政上の命令・許可取消しと、刑事罰は併存する場合があります。

許可取消し又は使用停止の事由

消防法第12条の2第1項の5項目。いずれかの行政処分を行うことができます。

違反・事由行政上の扱い・是正罰則・補足
許可を受けずに位置・構造・設備を変更消防法第12条の2第1項第1号/第11条第1項後段/第42条第1項第2号許可取消し又は期間を定めた使用停止無許可変更への罰則:6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。
完成検査で適合と認められる前に使用(承認された仮使用を除く)消防法第12条の2第1項第2号/第11条第5項/第42条第1項第3号許可取消し又は期間を定めた使用停止使用違反への罰則:6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。
位置・構造・設備の基準適合命令に違反消防法第12条の2第1項第3号/第12条第2項許可取消し又は期間を定めた使用停止修理・改造・移転を命じる基準適合命令への違反が事由です。その後の使用停止命令への違反には別に罰則があります。
定期又は臨時の保安検査を受ける義務に違反消防法第12条の2第1項第4号/第14条の3第1項・第2項/第44条第4号許可取消し又は期間を定めた使用停止検査を拒み・妨げ・忌避した場合:30万円以下の罰金又は拘留。単なる未受検と罰則の要件は区別します。
定期点検・点検記録の作成・保存の義務に違反消防法第12条の2第1項第5号/第14条の3の2/第44条第5号許可取消し又は期間を定めた使用停止記録の未作成・虚偽作成・未保存:30万円以下の罰金又は拘留。点検の未実施だけをこの罰則と混同しないようにします。

使用停止の事由

消防法第12条の2第2項の4項目。この項は許可取消しを定めていません。

違反・事由行政上の扱い・是正罰則・補足
貯蔵・取扱いの基準遵守命令に違反消防法第12条の2第2項第1号/第11条の5第1項・第2項期間を定めた使用停止基準違反そのものと、命令への違反を区別します。基準違反への罰則は下の表を参照。
危険物保安統括管理者の選任・保安業務統括の義務に違反消防法第12条の2第2項第2号/第12条の七第1項期間を定めた使用停止選任・解任の届出を怠った場合には別に罰則があります。未選任と未届出は別の違反です。
危険物保安監督者の選任・保安監督の義務に違反(B)消防法第12条の2第2項第3号/第13条第1項/第42条第1項第6号期間を定めた使用停止保安監督者を定めないで事業を行った場合:6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。
危険物保安統括管理者・危険物保安監督者の解任命令に違反消防法第12条の2第2項第4号/第13条の24第1項期間を定めた使用停止本人の法令違反等を理由に市町村長等が出した解任命令に、施設の所有者等が従わない場合です。

その違反自体は第12条の2の事由に当たらないもの

A・C・Dと、関連する主な違反を整理しています。別の命令への違反や緊急の危険があれば、別の根拠による措置につながる場合があります。

違反・事由行政上の扱い・是正罰則・補足
予防規程の未制定・未認可(A)消防法第14条の2第1項/第42条第1項第8号予防規程を定め、認可を受けて是正。その違反自体は第12条の2の事由に列挙されていません。第14条の2第1項に違反して危険物を貯蔵・取り扱った場合:6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。
自衛消防組織の未設置(C)消防法第14条の4対象の事業所は組織を設置して是正。違反自体は第12条の2の事由に列挙されていません。未設置そのものを処罰する直接の罰則は消防法に規定されていません。設置義務がなくなるわけではありません。
危険物施設保安員の未選任(D)消防法第14条対象の施設は保安員を選任し、構造・設備の保安業務を行わせて是正。違反自体は第12条の2の事由に列挙されていません。未選任そのものを処罰する直接の罰則は消防法に規定されていません。選任義務がなくなるわけではありません。
位置・構造・設備が技術上の基準に不適合消防法第12条第1項・第2項/第12条の3修理・改造・移転を命じる基準適合命令。命令への違反が第12条の2第1項第3号の事由になります。基準不適合と基準適合命令への違反は別です。緊急の必要があれば第12条の3の一時停止等も可能です。
危険物の貯蔵・取扱いの技術上の基準に違反消防法第10条第3項/第11条の5/第43条第1項第1号基準に従って貯蔵・取り扱うよう命じる基準遵守命令。命令への違反が第12条の2第2項第1号の事由になります。基準違反への罰則:3月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金。
予防規程の変更命令に違反消防法第14条の2第3項/第42条第1項第8号火災予防のため必要な場合、予防規程の変更を命じることができます。この命令への違反自体は第12条の2の事由に列挙されていません。変更命令への違反:6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。
保安統括管理者・保安監督者を選任・解任した旨の届出を怠る消防法第12条の七第2項/第13条第2項/第44条第8号遅滞なく届け出て是正。未選任・監督等の義務違反と、選任済みだが未届出という違反は区別します。届出を怠った場合:30万円以下の罰金又は拘留。
位置・構造・設備を変えずに、危険物の品名・数量・指定数量の倍数を変更する際の届出を怠る消防法第11条の4第1項/第44条第8号変更日の10日前までの届出義務への違反。届出違反自体は第12条の2の事由に列挙されていません。届出を怠った場合:30万円以下の罰金又は拘留。
無資格者が甲種・乙種危険物取扱者の立会いなしで危険物を取り扱う消防法第13条第3項/第42条第1項第7号必要な立会いを確保して是正。この違反自体は第12条の2の事由に列挙されていません。立会いなしの取扱いへの罰則:6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。

命令・指導・罰則の違い

違反があれば必ず自動的に使用停止となる制度ではなく、法律は「命ずることができる」と定めています。行政指導や警告による是正と、法的根拠のある命令を区別します。警告に従わなかったことだけで、新たな使用停止事由になるわけではありません。

第12条の3では、公共の安全の維持や災害防止のため緊急の必要がある場合に、使用の一時停止又は使用制限ができます。第12条の2の列挙事由に基づく使用停止とは別の制度です。

第12条の2の使用停止命令、又は第12条の3の一時停止命令・使用制限に違反した場合には、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が定められています(第42条第1項第4号・第5号)。

表の刑罰は行為者に対する法定刑です。第42条・第43条には、情状による拘禁刑と罰金の併科の規定もあります。該当する場合の法人等への両罰規定は第45条で確認できます。「拘留」と「拘禁刑」は異なる刑です。

根拠:消防法(e-Gov法令検索)。行政指導・警告等の実務は消防庁の危険物施設違反処理標準マニュアルも参照できます。マニュアルは2021年の資料のため、罰則の現行表記は消防法で確認しています。